パンクな人とメタルな人の違い
パンクが好きな人とメタルが好きな人には、それぞれなんとなく共通する部分があるなーと以前から感じてたので、唐突にその辺をまとめてみた。
パンクな人
基本特性
- 理想主義/一貫性/アンチ
性格
- 人当たりは良く、一見リア充。
- 初対面の人にタメ口で話すことができ、呼び捨てにできる親友がいる。
- 外面はコミュニケーション上手に見えるが、内面は繊細で傷つきやすい。
- 友人が多いのに「本当の友人がいない」と言ったり、孤独感を感じたりする。
- 乗っているときは強気だが、打たれ弱い。
- ちょっとした一言で人を嫌いになることがある。
- 大震災などの災害や社会的変化にショックを受けやすい。
- 信念のない人、こだわりのない人、物事を深く考えていない人が嫌い。
- 情には厚く、好意を持っている人には優しい。
- 友人にすると心強いが、嫌いな人のことは人前でディスる。
- イアン・マッケイの影響を受けてDIY(Do It Yourself)精神に傾倒しているがホームセンターが好きなわけではない。
- 実体のないマナーや社交辞令は好まない。
- 情動を重視。冷静さの証明として論理性を用いることもあるが、大抵後付け。
ファッション
- 音楽と同様に、ファッションにも強いこだわりを持つ。
- 趣味は人それぞれだが、基本的にオシャレ。
- パンクが好きと言われても意外ではない見た目をしている。
- 高級ブランドは好まず、安価だが質が良い、センスが良いと感じるブランドを好む。
- フォーマルよりはカジュアル。プリントTシャツ、デニム、スニーカー、キャップ。
- 控えめにアクセサリーを身に付け、タトゥーやピアスも積極的、もしくは寛容。
- チェ・ゲバラのTシャツを2枚以上色違いで持っている。
- ダサい見た目にはなりたくないと常々思っている。
- 太っている人は少なく、むしろだいたい痩せ過ぎ。
- モヒカン率は思いのほか低い。
仕事観
- 仕事においても理想の考えを貫く。妥協する自分は許せない。
- 信念のない働き方はしたくなく、社会をより良くするために働きたい。
- ポリシーなき売上至上主義者は軽蔑するが、信念を持った成功者は無条件リスペクト。
- 基本的に信念の人なので、環境やニーズがシンクロすると強い。
- 会社員なら、周囲も考えに賛同し、期待に応えうるスキルがある場合、頼れる兄貴分、強いリーダーとして活躍する。
- 起業家なら、市場ニーズのあるビジネスにポジション取りできれば、信念を持って社会を変革するカリスマ経営者になりえる。
- ベンチャー企業と相性が良く、大企業や公務員は合わない。
- 理想主義的で一貫性にこだわるゆえに、柔軟性に欠ける。
- 相性の悪い環境では「理想ばかりで現実が見えない人」「頑固でやりづらい人」と評価され、社会や組織の中で居場所を失いやすい。
- 基本的に純粋なので、現実社会の矛盾が受け入れられない。
- 都会の競争社会に疲れると、地方に移住して野菜を作る。
政治・社会の捉え方
- 政治や社会に関心が高く、常にアンテナを張っている。
- 強者=権力=搾取者=悪、弱者=民衆=戦う者=善、という固定観念がある。この世はたいがい腐っていて、戦わないと良くならないと思っている。
- 陰謀論を信用しやすく、反体制、反原発、反戦、反資本主義に傾倒しやすい。
- 何につけてもアンチだが、アンチのアンチで結果体制を支持、という場合もある。
- アーティストとしての成功者は、有能な政治家や人格者とは別なのだが、それら成功者の言説を無条件に信じる傾向がある。なので変な宗教とかに騙されやすい。
- 自身は苛烈な体験をしたことがないが、パンク系アーティストの影響を受けて抑圧された弱者の立場に自分を置くが、実体験ではない。
- 自身が体制側に回ってしまった時に、そのことに葛藤し、時にその立場を捨てる。
- 身近に感じた問題を「日本人」「国民性」の問題に拡大解釈するのが得意。
音楽以外の趣味
- アートや文学への造詣が深く、乱暴そうに見えても意外と知的。
- パンク以外にアートや文学にも多大な影響を受け、価値観が形成されている。
- 哲学や歴史にも関心が強く、ファシズムやヒトラーに関する書籍なども興味を持つ。
- 文才がある。
- スポーツは得意で、どんな競技も割と器用にこなす。
- 映画はハリウッド超大作よりもミニシアター系のカルト映画を好む。
- 料理などをやらせると案外センスがいい。
- イラストや絵画も器用にこなし、デザイナーになるものもいる。
- 海外アーティストの影響を受けてヴィーガニズムにも関心を持つが、実際のところそこまでは徹底できない。
音楽の趣味趣向
- パンク以外もかなり積極的に聴く。
- 音楽は表層的なサウンドスタイルよりも精神性の方が大事。
- レゲエ、ヒップホップ、ハウス、フォーク、アンビエント、ポストロック、エレクトロニカ、ノイズなど許容する音楽はかなり幅広い。
- 非商業主義的で、こだわりを持って活動しているアーティストが好き。
- ビルボードやグラミーに登場するようなショウビジネスど真ん中のアーティストは、資料的に聴くことはあっても好きにはならない。
- 「初期の方がいい」「メジャーデビュー前の方がいい」が口癖。好きな言葉は「インディーズ」「アンダーグラウンド」。
- 1年間スタジオにこもってお金と時間をかけて練りこまれた音楽より、勢いに任せて1週間でレコーディングされた粗削りな音楽の方が好き。
- レーベル買いする。
- The BeatlesやThe Rolling Stonesみたいな超大物は、レジェンドとしての偉大さを認めつつ、そんなに興味がない。エスタブリッシュメントだから。
- 60年代のロックで認めるのはThe StoogesやVelvet Undergroundあたり。
- MC5はあまり知らない。The Sonicsなどの60sガレージまで遡っている人も少ない。
- スカを経由してレゲエに入り、エモを経由してポストロックに入った。
- 音楽スタイルとしてパンクでも、Good CharlotteやSum41、Fall Out Boyのようなファッション・パンクは嫌い。
- 音楽性はまったくパンクじゃないが、スフィアン・スティーブンスやシャロン・ヴァン・エッテンのようなインディ系のシンガーソングライターの方がむしろ好き
- Green DayやThe Offspringはセルアウト。RancidやBad ReligionやNOFXはリスペクト。
- エモは初期エモしか許さない。Jimmy Eat World『Bleed American』以降の変質したエモはエモではない。それ故に「エモ」ではなく「初期エモ」に拘る。
- パンクと近いオルタナティブ・ロックは意外と好き嫌いがある。RadioheadやU2はそんなに好きではない。エスタブリッシュメントだから。
- The SmithsやNew Orderなどのポストパンクは好き。
- 音的にはパンクに近いThe LibertinesやArctic Monkeysみたいな00年代以降のロキノン系バンドもほとんど興味ない。
- メタルを通過していることも多く、アウトサイダー音楽としてのメタルは嫌いじゃない。ただしパンクやハードコアの影響が強い方が好き。MegadethよりはSlayer。
- Iron MaidenやJudas Priestのようなクラシック・メタルは幼稚で深みがないと認識。
メタルな人
基本特性
- 現実主義/非一貫性/保守的/割切思考
性格
- 大人しく人見知りで、一見非リア充のコミュ障。
- メタルが好きなのに豪快さがない。むしろ几帳面、あるいはケチ。
- 初対面にタメ口は無理。デフォルト敬語。赤ちゃんにも敬語。
- 一見コミュニケーション下手に見えるが、打ち解けるとよくしゃべる。
- ストレス耐性が強い。
- 割と平和主義で、好き嫌いが少ない。
- 一度友人になると切れないし、人のことはあまり悪く言わない。
- 「ヘビメタ」という人には笑顔で話しつつ心の中では拒否反応。
- 実体のないマナーや社交辞令に完全適応する。
- 乱暴者やガサツな人は好きではない。
ファッション
- ダサい。ファッションにこだわりはない。ファッション用語を人並以上に知らない。
- H&Mを見て「ヘヴィ&メタルだ」という面白くない冗談をいう。
- 例えファッションにこだわりがあっても、「それいつの時代?」という格好をする。
- 一貫性が欠如しているので、音楽とファッションに一貫性はないし、髪形と洋服と靴とバッグの組み合わせとかは考えない。
- 見た目はメタル好きに見えない。顔も体形も大抵ただのオッサン。
- ピアスやタトゥーは決してしない。アクセサリーもほとんどしない。
- バンドTシャツで自分の音楽の趣味を分かってもらおうとする。
- ファッションでAC/DCやMotorheadやIron MaidenやGuns N’ RosesのTシャツを着ているオシャレな若者は許せないが、有名人が着てるとちょっと嬉しくなる。
- メガネ率高い。
- メタルアーティストに憧れて長髪にしていた時代がある。多くの場合メガネ×長髪で、オジー・オズボーンというより伊藤正則。
- 汗っかき。
仕事観
- 社畜体質。現実主義で、物事を割り切って受け入れる。
- 信念がないともいえるが、適応力があり、柔軟性が高いともいえる。
- 仕事は丁寧で親切。センスや感性より、リフを刻むようにコツコツ積み上げる仕事を好む。
- どんな環境にも合わせるので、公務員だろうが大企業だろうがベンチャーだろうが適応してそれなりに成果を出す。
- 立派な職業の人が意外にメタル好きだったりする。
- ベンチャースピリットや社会を良くしたいみたいな野望はあまりない。
- 資本主義、商業主義、競争社会もそれなりに受け入れて、それなりに努力する。
政治・社会の捉え方
- 政治や社会を憂うふりをたまにするが、そんなに真剣に考えていない。
- 現実主義なので、特定の主義主張に傾倒し、排他的になることはない。
- 世の中にそんなに絶望しておらず、そこそこ楽しんでいる。
- 世の中を変えなければ!という危機感が薄く、今ある枠組みの中で楽しもうとする。
- 猟奇的犯罪や悪魔崇拝など、倫理的に問題があることや不謹慎なことを面白がるが、あくまで娯楽と割り切っており、本気でそういう趣味があるわけではない。
- 政治や社会は自分と接点がある範囲にしか関心がなく、議論しない。
- 強い信念がないがバランス感覚は優れており、極端な言説を安易に信じない。
- 例えばフィル・アンセルモが「ホワイト・パワー」と叫んだからといって人種差別主義やナチズムに傾倒することはないし、逆にそのことに憤怒してフィルの音楽はもう聴かないとまでは思わず、「それはそれ、これはこれ」の精神で割り切る。
音楽以外の趣味
- アイドル、猫など、カワイイものが好き。ロリコン。
- ゲームやアニメ、プロレス、鉄道など、オタクっぽい趣味が多い。
- グルメではなく、料理もセンスはない。
- スポーツはだいたい苦手で走り方が変。
- プラモデルのようにコツコツ積み上げる娯楽は好き。
- アートや文学への造詣が深いふりして深くない。
- ゴッホより普通にラッセンが好き。
音楽の趣味趣向
- メタルしか聴かないと思われたくない。幅広く音楽を聴く人と思われたい、という欲求が強い。
- 音楽性の幅を広げる際、メタルの対角線上にある音楽を許容してバランスを取る。対角線上にある音楽を受け入れることで「幅広く聴くオレ」になりたい。
- メタルをイカツイ音楽と定義し、対角線上にあるアイドル音楽を聴く。(なのでBABYMETALは理想的)
- メタルを若者の音楽と定義し、対角線上にある山口百恵や長渕剛やさだまさしのような歌謡曲、フォーク、演歌などを聴く。
- メタルを現代的な音楽と定義し、対角線上にあるクリームやジェフ・ベックやジャニス・ジョプリンのような60年代のブルースロックを聴く。
- メタルをカルトな音楽と定義し、対角線上にあるミスチルやONE OK ROCKやきゃりーぱみゅぱみゅのような超メジャーなJ POPやJ ROCKを聴く。
- メタルを若者の音楽と定義し、対角線上にある成熟した大人の音楽としてマイルス・デイヴィスを聴く。
- ジャンルが広いだけで、音楽性の許容範囲は狭い。メリハリがついたメロディのハッキリした分かりやすい音楽しか受け付けない。
- 実験的な音楽、アート志向の音楽は理解できない。
- WilcoやDeath Cab For Cutieのような抑制の効いた音楽の魅力はさっぱり分からない。
- テクノやエレクトロニカのような、一定のリズムパターンを繰り返すような音楽も好まない。Boards Of CanadaやPrefuse73を好きになるメタル好きはほとんどいない。
- メジャー系洋楽は歌メロが分かりやすくロックっぽいのはOKだが、R&Bやヒップホップ寄りのは苦手。アブリル・ラヴィーンやテイラー・スウィフトはいけるがビヨンセやリアーナやカニエ・ウエストは無理。
- EDMは、硬派な音楽であるメタルと対角線上にあるナンパな音楽だし、クサメロで疾走感がありリフが分かりやすく音楽がフォーマット化しているなどメタルとの共通点が多いが、リア充っぽくてチャラいのでやっぱり好きじゃない。
- EDMのようにそもそも人間が演奏していない音楽は認めない。
- 演奏技術至上主義的なところがあり、演奏力を要するジャズやプログレは認める。
- ビジュアル系はどことなくメタルっぽいのでだいたい好き。
- パンクは、The OffspringやSum41みたいに、分かりやすくてギターが分厚いのはメタルっぽくて結構好き。The Clashみたいにスカが入るとダメ。
- 音が薄くてスタスタ疾走するタイプのメロコアや、ヴォーカルが下手でメロディが希薄で音質がチープなタイプのハードコアも苦手。
- オルタナは苦手。メタルに近い位置にいて対角線上にないので、「幅広く聴くオレ」になれない。メロもヘヴィさも、メタルに比べると中途半端。
- Radioheadとかどう楽しんでいいかわからない。Coldplayはヘナヘナしてるだけ。
- Foo Fightersくらい王道サウンドになると聴ける。Museはメタルっぽいので好き。
補足
パンクとメタルが融合したクロスオーバーというジャンルが存在するように、キャラ的にもクロスオーバーしてる人は少なくない。
サンプルは周りの人の会話、SNSで見かける人の発言、ライブ会場での周囲の人の会話、アーティストのインタビューなど。あと自分。自分はメタル7割:パンク3割くらい。趣味も性格もメタル度高い。
基本的に30~40代の日本人男性を想定。女性は知らん。外人も知らん。それと物心ついた頃からパンクとメタルの境界線が曖昧になってた20代以下も知らん。全般的に極端に書いてるので、真に受け過ぎないように。