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2015年洋楽アルバム20選 + a

年間ベスト 音楽

あけましておめでとうございます。

世の中的には新しい音楽があまり聴かれなくなっているそうですが、2015年もモリモリと新作を聴き倒した1年でした。気軽に新譜がチェックできるApple Musicのおかげも大きかったです。そんなわけで、2015年にリリースされた作品ではこれが良かったぞ!といえる20枚を選んでみました。

20. 1989 / Ryan Adams
ノースカロライナのシンガーソングライターによるテイラー・スウィフト『1989』丸ごとカバーアルバム。流行りに乗った色物企画アルバムと思いきや、徹底した独自解釈によってまるで別物と錯覚するような素晴らしい作品に仕上がっている。原曲がいいので当然のように曲がいいわけだが、テイラー版とライアン版で気に入った曲が違ったのが面白かった。

19. James Bay / Chaos and the Calm
英からは毎年続々と要注目シンガーソングライターが登場するが、2015年のブリットアウォーズにもノミネートされたこの人もその一人。大雑把に言えばエド・シーランと同じ弾き語り系だが、ナッシュヴィルでレコーディングされたこともあってか、よりアメリカ的、カントリー的、ソウル的な印象がある。驚くような斬新さこそないが、丁寧に紡がれた楽曲はいずれも魅力的で、年間を通して飽きずによく聴いた作品となった。

18. Years & Years / Communion
英ロンドンで結成されたエレクトロポップトリオのデビュー作。ヒット曲"King"のみならずウルトラキャッチーなポップナンバーがこれでもかと飛び出してくる。ソウルよりの清涼感あるハイトーンヴォーカルのおかげで、安っぽさを感じさせないところもいい。2015年はFriendly FiresもThe 1975もDelphicも新作を出さなかったが、エレクトロ・ポップが聴きたい時は本作がその気持ちを満たしてくれた。

17. Coldplay / A Headful Of Dream
英ロックバンド7th。静謐とも地味ともいえた前作から一転きらびやかでカラフルな作品。前々作『Mylo Xyloto』に近いとも言えるが、より現在のヒットチャートを意識した作りでもあり、その点でやや賛否が分かれるかもしれないが個人的には前作より遥かに好きだ。また彼らの凄いところはアルバム毎に方向性を変えながら必ず新しい代表曲を生み出しているところだが、その約束は新境地のディスコナンバー" Adventure Of A Lifetime"でもしっかり守られている。

16. Nothing But Thieves / Nothing But Thieves
エセックス出身の新人デビュー作。MuseRadioheadから遡ってDavid BowieLed Zeppelinまでを貫いた英ギターロックの王道を受け継ぐニューカマー。最も近いのは『Bends』の頃のRadioheadだがよりグルーヴィーでヘヴィな一面もある。どこかで聴いたタイプといえばそうで目新しさは全くないのだが、隙のない完成度はやはり非凡で、昨年のRoyal Bloodとともに英を中心としたロック復権の鍵を握るバンドともいえる。2ndが本当の勝負作になるだろう。

15. New Order / Music Complete
偉大なるダンス・ロック・オリジネイターの英ベテランバンド10年ぶり新作。懸念されていたオリジナルベーシストピーター・フックの不在は全く感じさせない、まさにNew Orderにしか作りえない会心の復帰作。アートワークにピーター・サヴィルを起用するなど、ファンが求めるNew Order像を丁寧になぞったような非常に保守的な新作であり、驚きや新規性はまったく感じないが、この甘くメランコリックなメロディとグルーヴにはやはり抗えない魅力がある。

14. Deafheaven / New Bermuda
米サンフランシスコのポストブラック3rd。ブラックメタルをアートに昇華して大絶賛を浴びた前作『Sunbather』の成功からさらにアート寄りに進むと考えていたが、禍々しく邪悪なブラックメタルへの揺り戻しが起こっており一見様お断り度は高まった。とはいえ「地獄に堕ちたSigur Ros」ともいえる彼ら特有の美醜が交錯する振り幅の大きさは健在であり、巷のブラックメタルやポストメタルでは味わえない知性と文学性を感じさせるさすがの力作である。

13. Be The Wolf / Imago
トリノのロックバンドデビュー作。基本的にはオーセンティックなハードロックだが、オルタナやエモ、パンクの影響もあり、声質からは初期Fall Out Boy、手数の多い演奏からはOne OK Rockのように聴こえなくもない。煽情的なメロディは欧州のバンドらしいが、全体的にはローカル性を感じさせないメジャー感に溢れており、楽曲も粒ぞろいで完成度は高い。ロック後進国イタリアからこのようなスタンダードなロックバンドが生まれたのは驚きである。

12. Silversun Pickups / Better Nature
カナダのオルタナバンド4th。00年代屈指のオルタナの名盤となった2nd『Swoon』と比べると地味な印象を受けるが、現在の彼らはInterpoleのようなポストパンクリヴァイバル的なサウンドにシフトしているからだろう。インパクトの強いファズギターの轟音や疾走感はなりを潜めたものの、シンプルなフレーズを繰り返しながらクライマックスを迎える彼らの持ち味は顕在。ややスルメ度が高いが、間違いなく好盤である。

11. Kendric Lamar / To Pimp a Butterfly
米カリフォルニアの若手ラッパーで2016年グラミー作品賞にもノミネートされている3rd。犯罪多発地域で育ちながら鋭い視点で社会を切り取るリリックが注目されている知性派。正直英語のメッセージの真意はよく分かっていないのだが、ジャズ、ブルース、ロックを貪欲に取り込んだ型にはまらない自由で挑戦的なヒップホップで、リズムとサウンドに身を任せるだけでも十分にその刺激を楽しむことができる。

10. TesseracT / Polaris
ダンプログレレーベルKscope移籍第一弾となる英レディング出身プログレメタルバンド3rd。変拍子ポリリズムを駆使した複雑な楽曲はMeshuggahタイプのDjentサウンドといえるが、そこに透明感あるヴォーカルと美しいメロディが乗るのが彼らの特徴。Meshuggah とDream TheaterMuseをミックスさせたようなサウンドともいえる。基本的に正常進化型の新作だが、完成度と普遍性が一気に高まり、越えるべきボーダーラインを越えた作品だ。

9. Refused / Freedom
伝説的な存在となっているスウェーデンのポストハードコアバンド18年ぶり新作3rd。電子音が減り、複雑なリズムと分厚くメタリックなギターリフが増量されるなど、過去には囚われない復帰作となっているが、やはりこれも正真正銘Refused。ライブで鍛え上げられた彼らのフィジカルの強さもいかんなく発揮されている。特にスクリームを多用するデニス・リクセゼンのヴォーカルのカッコよさは今もって異常。

8. Jamie XX / In Colours7
英ロンドンのインデー・ロックバンド The xxのメインソングライターの1stソロアルバム。The xx同様のシンプルでミニマルな作風を踏襲しながら、よりクラブミュージックやエレクトロニカに接近した作品。曲は短くキャッチーで、シンプルながらもバラエティは豊か。Rihannaなどの大物アーティストのプロデューサーらしくまとめられた統一感から、ガス抜き目的になりがちな所謂ソロアルバムとは一線を画した完成度を感じることができる。

7. Steven Wilson / Hand.Cannot.Erase
ダンプログレレーベルKscopeの設立者であり自身のバンドPorcupine TreeやKing CrimsonOpethをはじめとするプロデューサーとしても活躍する現代プログレシーンの最重要人物スティーブン・ウィルソンの5thアルバム。実際に英で起こった38歳で女性が孤独死した事件をモチーフにしたコンセプトアルバム。最高傑作と言われた前作をさらに凌駕する美しいメロディと考え抜かれた緻密な構成力に圧倒される。間違いなく21世紀を代表するプログレアルバム。

6. Alabama Shakes / Sound & Color
2016年のグラミーにもノミネートされて、最近はiPadProのCMにも起用されている、黒人女性ボーカリストブリタニー・ハワードを中心とする米アラバマの4人組2nd。古き良きソウルやブルースを基調としながらオルタナティブロックのエッセンスを散りばめた、ノスタルジーと洗練されたモダニズムが同居した現代ソウルの傑作。デジタル全盛の時代だからこそこ、ヴィンテージ&アナログの魅力が際立って聴こえる。演奏も曲もいいが、音も非常に素晴らしい。

5. Muse / Drones
キャリア初の全米1位に輝いた7th。近年のMuseといえばダンス・エレクトロへの傾倒が激しかったが、そこから一転、初期を思わせるストレートなギターロックアルバム。”Supermassive Black Hole”パート2ともいえるグルーヴィーでアンセミックな”Psycho”から、壮大なバラード” Mercy”と、1曲目から5曲目までのテンションの高さはすさまじく、痛快なまでに王道のスタジアムロックである。正直、彼らの最高傑作とは思わないのだが、改めて聴くとやはり彼らの凄味を感じざるを得ない。

4. Kamelot / Haven
米パワーメタルバンド11th。カリスマヴォカリスト、ロイ・カーンが抜けて2作目となるが、これは熱心なロイファンさえも溜飲を下げざるを得ない会心の一作では。へヴィなギターやリズムにはモダンへヴィネスに傾倒した近年の流れを感じさせるが、その上に乗るメロディはひたすら流麗で同系パワーメタルを遥か彼方に突き放す気品と風格に溢れている。ゲスト参加しているArch Enemyのアリッサ・ホワイトの咆哮も燃える。

3. Soilwork / The Ride Majestic
スウェーデンのエクストリーム・メタルバンド10th。メロディや構成に力を入れた半面やや冗長さも感じさせた前作から一転、とにかく走りまくるブルータルでキャッチーな楽曲を中心にコンパクトにまとめあげたアルバム。デス/ブラック由来の暴虐性の高さを全編で維持しつつも”Death In General”のようなエモい曲や印象的なメロディのクリーンパートの冴えわたり方も抜かりなく、過去に生み出されたメロデスやスラッシュの名盤に引けを取らない。キャリア10作目にしての最高傑作誕生である。

2. Bring Me The Horizon / That's the Spirit
英シェフィールドのポストハードコアバンド5th。全米・全英2位を記録した出世作。初期のデスコアから大幅に変更した前作『Sempiternal』ですでに進化の片鱗は伺えたが、期待と想像を遥かに超えるレベルに到達。美しくもキャッチーなメロディ、バラエティ豊かな曲調、静と動のコントラストの付け方など、一部の隙もない驚異的な完成度。"Drown"、" Happy Song "、" Throne"、"Avalanche"など耳に残る名曲も多く、世界的な大ブレイクも納得の一枚である。

1. Of Monsters And Men / Beneath The Skin
アイスランドのインディーロックバンド2nd。1stと比べより内省的で旋律はメランコリーになったが、アイスランドという彼らの出自らしい変化ではないかと思う。Sigur Rosの名盤『Tak…』にも似た悲哀と交錯する多幸感を堪能できるアルバムで、本作を聴いて彼らはBjorkSigur Rosに次ぐアイスランドの至宝になるのではないかと感じた。フジで観なかったことを猛烈に後悔させる作品でもある。

その他、上記以外によかったなーと思った作品はこのあたり

!!! / As If
Adele / 25
Bell & Sebastian / Girls In Peacetime Want To Dance
Boots / Aquaria
Bullet For My Valentine / Venom
Death Cab for Cutie / Kintsugi
Elliot Moss / Highspeeds
Florence + The Machine / How Big,How Blue,How Beautiful
Ghost / Meliora
Godspeed You Black Emperor / Asunder, Sweet & Other Distres
Grimes / Art Angel
Lana Del Ray / Honeymoon
Millencollin / True Brew
Noel Gallagher's High Flying Birds / Chasing Yesterday
Sleater-Kinney / No Cities to Love
Squarepusher / Damogen Furies
Strung Out / Transmission.Alpha.Delta
Sufjan Stevens / Carrie & Lowell
Oneohtrix Point Never / Garden of Delete
Walk The Moon / Talking is Hard
The Weeknd / Beauty Behind the Madness
Winery Dogs / Hot Streak
Zedd / True Color