私が考えるクイーンと映画『ボヘミアン・ラプソディ』の魅力
映画『ボヘミアン・ラプソディ』で新しいQueenファンが増えることを予想して書いた私のブログは、公開5日目で20万PVを超え、公開から3か月近くたった今も毎日2,000~3,000PV前後を記録する、ブログ歴8年の私としても異例のロングヒットとなりました。
Queenという海外のアーティストに特化した2万字超の長文記事というのは、バズる記事の条件からは明らかに外れています。しかしながら、はてなブログの年間ランキングでは23位、はてなブックマークの年間ランキングでも82位にランクインすることができました。
もちろんこれは、それだけ『ボヘミアン・ラプソディ』が大ヒットしているということです。私自身も映画にすっかりハマり、これまでに計5回観に行きました。
さて、実はそのブログ記事の原案は文章が長くなりすぎ、一部カットしました。本エントリーはそのカットした文章を加筆修正して仕上げたものです。いうなればアウトテイクのようなものです。個人的見解がやや強めではありますが、前回のブログをお楽しみいただけた方、映画を観てQueenについてもっと知りたくなったという方は、よろしければこちらもご覧ください。
主な内容は以下の通りです。
続きを読む映画『ボヘミアン・ラプソディ』を観た人に読んでほしいクイーンの話
先日、話題の映画『ボヘミアン・ラプソディ』を観てきました。結論からいうと、Queenを知らない方でも楽しめる素晴らしい作品で、心の底から感動しました。その結果、これまでに4回観に行ってしまいました。
実は2度目に観に行った際、Queenをあまり知らない人も誘ったのですが、彼は映画を観て号泣し、「なぜ今までQueenを聴かなかったのか」と後悔していました。
Queen世代ではない若い人たち、Queenファンの親を持つ子供たちの間にも人気は拡がっており、映画館には高校生や大学生と思われる方の姿も多く見かけます。
もちろんこれは、Queenに並々ならぬ思い入れを持つ古参ファンでも大いに感動できる作品です。特に終盤のライブシーンは、まるで自分が会場やステージにいるかのような気持ちになる、映画ならではの映像の撮り方がされており、熱い気持ちがこみあげてくること必至です。日本語訳には、Queenを長年追いかけてきた音楽評論家の増田勇一さんも監修に入っているので、映画独自の奇妙な翻訳で違和感を覚えるということも一切ありません。
なお一部のQueenファンからは、時系列を入れ替えるなど、大胆に脚色している部分について批判が出ていました。私もQueenの史実はある程度頭に入っているので、多くの事実との相違に気が付きました。
ただそれでも私自身は「これはドキュメンタリーではなく事実を基にした創作物である」と割り切ることができたので、総じてあまり気になりませんでした。ブライアン・メイが「これは伝記映画ではなくアート作品だ」と言ってるのも、私にとっては自然に受け入れられた後押しになってるかもしれません。
本作は、私が好きなマーク・ザッカーバーグをモデルにした『ソーシャル・ネットワーク』や、ニキ・ラウダとジェームス・ハントをモデルにした『ラッシュ』と同じく、事実に創作を加えた映画の傑作だと思っております。
このように、映画自体には大満足しているのですが、いちQueenファンとしては「映画を観た人にもっと色々なQueenの魅力を知ってほしいなあ」という気持ちも沸き上がってきました。
そこで、映画を観た人を主な対象に、これから観るつもりの人、少し興味があって観ようか迷っている人にも興味を持ってもらえるよう、映画ではあまり描かれなかったQueenにまつわる話をいくつかピックアップしてみました。
映画の後にこの記事を読み、Queenにハマる人が一人でも増えればうれしい限りです。
なお、映画のネタバレをかなり含みますので、これから観る予定の方はご注意ください。まだ観てない方のために、予告編動画へのリンクをこちらに張っておきます。
全体は2万字を超える長文であるため、以下のように内容を分割しています。順番に読む必要はありませんので、好きなところからご覧ください。
- Queenの歴史を駆け足で総括
- 多彩すぎて模倣不可能な独自性
- メンバー全員がヒットメイカー
- 日本との繋がり
- 数多くのアーティストへの影響
- フレディ存命時の最終作『Innuendo』
- 盛大な追悼コンサート
- Queenとアダム・ランバート
テイラー・スウィフトはなぜ成功したのか?[マーケティング徹底解説]
激動の21世紀音楽シーンにおいて最も成功したアーティストはテイラー・スウィフトである、という意見に異論を唱える者はいないだろう。巨大な商業的成功ゆえに、その音楽のみならず、ソーシャルメディアを使った巧みなデジタル戦略などビジネスやマーケティングの面でも注目されている稀有なアーティストである。海外ではビジネス系メディアやマーケ系・テック系ブログで取り上げられることも珍しくない。試しに「taylor swift marketing」で検索してみると、数多くの記事がヒットすることでも分かる。
21世紀においてカントリーがトレンドの中心になったことがないにも関わらず、カントリーを出自とするテイラー・スウィフトが最大の成功者になったのは非常に面白い現象である。そこには音楽の良さ以外に、市場とアーティストを繋ぐマーケティング力学が少なからず働いていたはずだ。
しかしここ日本では、音楽的なバックグラウンドと海外音楽市場の特性を紐づけてマーケティング視点から分析したようなテイラー・スウィフトの記事を見る機会は皆無に等しい。
そこで今回、素人音楽ブロガーである私が、ビジネス視点のテイラー・スウィフト分析に挑戦してみた。目的はテイラー・スウィフトのデビューから最新作『Reputation』に至るまでのマーケティング戦略の総括である。音楽に詳しくない一般のビジネスマンでの学びになるよう、書き方は配慮した。
私自身は、2008年『Fearless』でテイラー・スウィフトと出会い、以降、新作はリリース日に必ずチェックしているがライブには行ったことがない、という程度のファンである。そのため熱烈なファンからはお叱りを受けるような内容が含まれているかもしれない。しかしだからこそ過剰な思い入れを持たず、客観的なことが書けるのではないかと思っている。
執筆にあたって海外の記事など数多くの情報に目を通したが、仕事の空き時間にコツコツと書いた記事なので、完璧ではない部分もあるだろう。事実関係で誤りがある場合にははてなブックマークのコメント欄、もしくはツイートなどで連絡いただけると幸いである。確認次第、速やかに訂正させていただく。
記事は6万字を超えるものになった。一気に読むにはなかなか辛い量ではあるので、ブックマークして小分けに読むことをオススメする。また最後に「テイラー・スウィフトから学べる12のこと」をまとめている。忙しいビジネスマンはまずこちらから読んでいただいてもよいだろう。
- マーケティングの基本理論
- テイラー・スウィフトとカントリー
- テイラー・スウィフトの強み
- 導入期:カントリー攻略の基本戦略
- 戦略を支えたマーケティング・ギミック
- カントリーシーンにおけるライバル
- 成長期:ポップ市場の制覇
- カントリーの限界
- 成長期の集大成『Speak Now』
- 成熟期:ポップアーティストへの脱皮
- 完全ポップ化とカントリーからの離脱
- 際立つソーシャルメディア活用術
- 音楽ストリーミングとの対決
- 過去を殺した『Reputation』
- テイラー・スウィフトは衰退期に入ったのか
- テイラー・スウィフトから学べる12のこと
3,500枚のCDを捨てた話(追記アリ)
先日、ついに約3500枚のCDを捨てる決心が付きました。
今日はそんなお話を中心に、私のCDと音楽への愛を一方的に語りたいと思います。CD世代の方々には懐かしい話多めです。目次はこんな感じです。
- 私を魅了したCD
- 薄れるCDの存在感
- ストリーミングで音楽は愛せない?
- 捨てられなかったCDもある
- 私に捨てられたCDたちの行方
- 公開後の反応に対する追記
話題のスマートスピーカーで本当に音楽が楽しめるのか徹底検証した
Apple/Spotify/AWA等、音楽ストリーミング主要6サービスを徹底比較
私は現在、Apple Music、Spotify、AWA、Google Play Music、Prime Music、LINE MUSICの6つの音楽ストリーミングサービスの有料会員になっている。しかしそろそろ3つくらいに絞り込みたいと思い、利用所感をまとめてみた。
曲数や機能の有無などの一般的な比較は既にネット上に多く存在しており、今さら私がそれを論じることの価値は薄いだろう。そのためここでは、利用者として実体験した中で感じた極めて主観的なことを中心に書いていきたい。さらに勝手ながら、派生して思い巡らせた音楽ストリーミングサービスの主に日本市場における戦略や展開に対するささやかな問題提起も後半にまとめてみた。
当然ながら各サービスの機能に関する言及は、このエントリーを公開時点(2017年7月19日)のものである。どのサービスも日々進化しており、あなたがこのエントリーを読んでいる頃には様変わりしている可能性もある。現時点でどうなっているかは、各サービスの無料トライアルなどで確認してみてほしい。
なお、私は聴いている音楽の9割が洋楽で、日本の音楽はほとんど聴かない。おそらく日本市場のマジョリティとは異なるタイプである。そのため賛同できる部分は共感していただきつつ、賛同しかねる部分は適当にスルーしてもらえると幸いである。
目次は以下の通り。好評だった前回エントリー「ONE OK ROCKは本当にアメリカで成功できるのか?」の2万字を超え、3万字以上ある。一気に読むのは骨が折れるだろうから、はてブなどでブックマークいただき、時間のある時に各章ごとに「つまみ読み」していただければと思う。
目次
- レビュー:Apple Music
- レビュー:Spotify
- レビュー:AWA
- レビュー:Google Play Music
- レビュー:Prime Music
- レビュー:LINE Music
- 日本人アーティストの配信状況
- 私の周囲の利用状況
- 各サービスのブランド力
- 2つの戦い方
- 各サービスの経営基盤
- 音楽ストリーミングにおけるUX
- SNS/CGM化の可能性と課題
- SNS/CGM化がもたらす収益
- 結局1番オススメのサービスは?
ONE OK ROCKは本当にアメリカで成功できるのか?
ONE OK ROCK8枚目のオリジナルアルバム『Ambitions』が日本では1月11日に、米国では1月13日にリリースされた。2016年はBABYMETAL『METAL RESISTANCE』がBillboardのアルバムチャート39位にランクインし、宇多田ヒカル『Fantôme』が米国のiTunesアルバムチャートで最高位6位を記録して話題になったが、2017年に米国市場での活躍を期待されているのが、このONE OK ROCKである。
ここではそんなONE OK ROCKの海外戦略について、私見を交えて解説したい。なお、本稿はONE OK ROCKを知らないビジネスマンでも読める内容を目指して書いている。そのため、音楽ファンなら当然知っている基本から説明しているが、ご了承いただきたい。
また、全体は約2万字を越える。以下に本エントリーの目次を記載しておくので、気になった個所から読んでいただいて構わない。通して読みたい方はブックマークをおすすめする。
- ONE OK ROCKとは
- 海外市場における競合
- 本当に世界基準なのか?
- 海外進出における2つの戦略軸
- 今は古い「エモ」という音楽
- エモバンドの生存戦略
- 成功シナリオ1:カテゴリースター
- 成功シナリオ2:ロックスター
- 『Ambitions』のチャートアクション
- 『Ambitions』の次の展開
パンクな人とメタルな人の違い
パンクが好きな人とメタルが好きな人には、それぞれなんとなく共通する部分があるなーと以前から感じてたので、唐突にその辺をまとめてみた。
パンクな人
基本特性
- 理想主義/一貫性/アンチ
性格
- 人当たりは良く、一見リア充。
- 初対面の人にタメ口で話すことができ、呼び捨てにできる親友がいる。
- 外面はコミュニケーション上手に見えるが、内面は繊細で傷つきやすい。
- 友人が多いのに「本当の友人がいない」と言ったり、孤独感を感じたりする。
- 乗っているときは強気だが、打たれ弱い。
- ちょっとした一言で人を嫌いになることがある。
- 大震災などの災害や社会的変化にショックを受けやすい。
- 信念のない人、こだわりのない人、物事を深く考えていない人が嫌い。
- 情には厚く、好意を持っている人には優しい。
- 友人にすると心強いが、嫌いな人のことは人前でディスる。
- イアン・マッケイの影響を受けてDIY(Do It Yourself)精神に傾倒しているがホームセンターが好きなわけではない。
- 実体のないマナーや社交辞令は好まない。
- 情動を重視。冷静さの証明として論理性を用いることもあるが、大抵後付け。